
夜は友人が以前食べに行って美味しかったと言っていたレストラン
『IL SANTO BEVITORE(イル・サント・ベヴィトーレ)』に行きました。
そこまで人気の店だと思わず、予約を取らなかったのですが、
開店10分前に店に着いたらもう長蛇の列でした。
店が開いて、オレたちの前には一組しかお客がいなかったにも関わらず、
「キッチン・フロント・シートなら案内出来ますが」と言われました。

つまりは厨房出入り口の前の席ということです。
でも、食事を楽しみにながら、こんな裏方の仕事が見れるので、
逆に楽しかったですよ。
それにしても活気のある店です。
映画『ディナーラッシュ』を思い出しました。

難点はテーブルが暗いこと。
食事をするのは、ローソクの明かりで十分なのですが、
「このソーセージはどんな色しとんねん」とローソクに近づけても、
いまいち良く分からないんですよね。

昼にハムとサラミを食べまくろうと決めていたので、
盛り合わせを頼んでみました。
バラ肉とかモモ肉とか、色んな部位の生ハムはそれぞれ味に違いがあって
(熟成の仕方とか塩の濃度とか工夫しているのでしょうね)
ワイン片手に30分くらい楽しんでしまいました。
写真には無いですが脂身だけの生ハムも別皿でもらいました。旨かったー
上でローソクに近づけていたのは、この真ん中に見える
ベリーと豚肉で作った生ハムならぬ、生ソーセージです。
果物と一緒に熟成した生ハムなんて初めてだったので驚きました。

その他に注文したのは...手長海老のリゾット。
米が日本の白米と全く別物です。
なるほどこの米ならリゾットを作るのが一番美味しいだろうなぁという
でんぷん質の少なさと、粒の大きさです。

パスタはいつものように「地元のおすすめ」を注文しました。
ここフレンツェの名物パスタ「PICI(ピィチ)」です。
少し細めのうどんくらいはある、太い太いパスタです。
鴨の出汁を中心まで含ませていると言っていたので、
出汁で煮込むのでしょうね。
じゃあうどんみたいに柔らかいのかなぁと思ったのですが、
そんなこともなく十分コシがありました。
目からうろこのパスタでした。
実は帰国の際、お土産にこの「PICI」の生麺を買ってきて、
ウチでも作ってみたのですが、かなり煮込んでもコシが残っている
そうとう硬めに捏ねられた麺でした。

メインは昼間食べて美味しかったキアニーナ牛をもう一度。
タルタルステーキしかなかったのでそれを注文しましたが、
今度は火を通した肉を食べたかったなぁ。
美味しかったですけどね。

もう一つのメインはうさぎ肉。
バージニアの山奥でも、ときどき食べていましたが、
鶏肉みたいにさっぱりしながらも、獣っぽさも少しあって好きなんですよね。
この皿はさっぱりとさわやかな味付けでウサギの味がちゃんと分かって良かったですよ。

人気のレストランとあって、お客の入れ替わりもひっきりなしです。
この写真の右奥がダイニングになっていて、
ドレスアップした人たちがどんどん入って行きます。
また予約していない人たちなのでしょう、
正面のドアのところで断られているお客も沢山いて、
「キッチン・フロント・シートでも入れてよかったですね」と
同行者とデザートワインを舐めながらうなづき合う夜でした。
子供の頃から、工事とか魚屋さんがお魚さばくの見るのが大好きだったのです。「あ、やっておくから、他に買い物あるんだったら行ってきちゃいな。」なんて言われても、じっと見つめる子供だったのです。
今でも、デザートワインは飲めなくてもしらふでキッチンをがん見するような大人です。ハイ
注文がいくつか重なったり、滞ったりすると、小声の伝言でウェイターの収集がかかるんですよ。
こちらからは見えないのですが、料理長が料理人たちと給仕人たちの間に立って「10番テーブル、前菜の状態は?スズキのメインはあと5分かかるから、つなげ!」みたいなことを言ってるに違いないのです。だってすごい真剣な顔してるんだもん。
子供のころから観察大好きだったhanakoさんだったら閉店までジーーーッとみてると思います。